パイネ国立公園トレッキング①
私たち3人は12/29~1/5の7泊8日をパイネ国立公園の中で過ごした。
色んなものを見て感じて、今までにない濃い年末年始を送ることができた。
毎日沢山のことがありすぎてここでの文章では書ききれない。
◆12月29日
出発の朝にふさわしい爽やかな朝。
これからどんなことが待ち受けているのか、楽しみと不安で胸がはち切れそう。
荷物が重いけどそんなのは何も気にならなかった。むしろトレーニング。強くなれる。
バスでトレイルヘッドまで行くと、レンズ雲と言われる雲がたくさん浮かんでいる。可愛い。
Patagoniaは寒いと思っていたけど想像以上に暑い。想像以上に人が多い。
キャンプ場に着いて昨日の夜作ったサンドイッチを食べた。ぺろり。
テントを張ってミラドールに向かった。森が気持ちいい。水が美味しい。
一歩一歩Torres del Paineに近付くにつれて緊張してくる。(出会いたい山に会う前は毎回緊張する)
あーニヤニヤが止まらない。
勇ましい岩山が少しずつ全貌を現した。
か、かっこいい!岩の色が何とも鮮やか!
こんな山どうやってできるんやろ?ほんま不思議。
お気に入りの岩を見つけてそこに座って見つめ続けた。いつまでも居れそう。
ずっと見てると手の形に見えてきた。
ひかる君の姿が見えないと思ったら頭痛で倒れてた。汗が引いて冷えたみたい。大丈夫かな?
◆12月30日
朝3時に起きて再びミラドールに向かった。(ひかる君は頭痛がまだ残っているみたいで、ゆうま君と2人で行った。)
途中Torresキャンプ場から渋滞になった。まるで富士登山のようだった。すごい人。
5時前にミラドールに着いたが一向に太陽が上がって来る気配はない。
次第に空が明るみ始めたがTorresは何の変化もない。この時点で6時を回っていた。
ほとんどの人が朝焼けを諦め、下山を始めていた。
私たちも寒さに耐えられず諦めかけた。6時半頃下ろうとすると、『ん?』
何かTorres黄色くない?!
cerro Torreは真っ赤だったけど、Torresは黄金だった!
寒さに耐えた甲斐があった!
黄金に光る岩肌を見ていると、何だか勇気が湧いてくるような気分になった。
この先の行程も頑張れる気がした。いや、頑張る勇気をもらった!ありがとう!
キャンプ場に戻るとひかる君が復活してた。ほんま良かった。
今日はひたすら湖の横を歩いた。白みがかった水色が美しい。
湖に映った影がまるで世界地図みたい。
時間に余裕があったのもあり、何度も何度も足を止めては美しい景観にため息をついた。
しばらくすると、右手には新たな山が見えてきた、Cuernos del Paineだ!
すごい、こんな形の山初めて見たで!
真ん中にadidasのマークがあるんやで?すごいよ。
地形がそのまま誰かに彫刻されたような、何とも不思議な山。色が可愛い。
私には何かのお菓子にしか見えない配色。
今日のキャンプ場はそんなCuernosの全貌を見上げる立地。気持ちのいいキャンプ場だった。
思いの外早く着いたのでCuernosに見守られながらトランプをした。
大富豪してたけど2人とも頭が良すぎてちょっとした一言やカードの出し方で読まれまくり。笑
ゆうま君が北大の彼の寮でめちゃめちゃ流行ってて留年生をも出してしまう、『ナポレオン』というゲームを説明してくれた。
これがまた全く意味わからんゲームで難しすぎて私には理解不能だった。
ひかる君はゆうま君の説明一回聞いただけで全部理解したらしかった。やっぱ東大生って変やな。笑
しかも、今までにないほど目がキラキラしてた。
ご飯食べた後ちっちゃいテントに3人入ってインディアンポーカーした。
私は顔にすべてが出てしまうのと嘘つけないので完敗。
罰ゲームは明日1日みんなの分の米を持つ。(1人米1キロずつ運んでいた。)
使って減った分もあるからプラス1.5キロ。別にいいもん、筋トレやもん。
12/27〜28 国境越えとトレッキングの準備
El CalafateからPuerto Natalesに移動。
毎回国境越えがめんどくさくって、今日は早く終わればいいな〜
けど、結局国境越えで3時間くらい時間かかった。
3人やったし芝生気持ちよかったしいっか。
無事にPuerto Natalesに着いた。
すごくいい街。結構好きかも。
宿に着いてトレッキングのための準備をした。
まず国立公園までのバスチケットを買った。
それと買う食材の下見。(値段と量)
ついでに夜ご飯の材料も買って帰って作って食べた。美味しかった。
天気がよかったからご飯食べた後に夕日を見に外に出た。
こっちの日の入りはほんまに遅い。この日も22:30くらいやった。
途中でゆうま君が酔っ払いに絡まれるという出来事もあり、楽しい散歩やったし、何よりも夕日がめっちゃキレイやった!
何かトレッキング成功する予感しかせーへんで!
帰りは迷子になりながら無事に帰れた。今日もいい1日。
次の日はいよいよ準備。
昨日下見しておいたから買い出しはかなりスムーズだった。
帰って食料を広げてみるとすごいことになった。こんなにいるんやな!
重さが均等になるように三等分した。1人約5キロ。
自分の荷物を合わせると1人当たり15キロくらいの荷物を持つことになる。
思ったよりかは軽かった。でも、やっぱり重い。減っていく楽しみができたね。
夜ご飯はしばらくタンパク質を十分に取れんからいっぱい肉を食べた。
ビールとワインも飲んだ。幸せ!
これで明日から頑張れるね!
12/24〜26 Christmas, El Chalten→El Calafate
12/24
今日はクリスマスイブ。
朝雨ザーザーだったから天気が回復するのを見て、暇やし散歩に行った。
岩の近くまで行くとボルトがたくさんあった。この辺登ってるんやなあ~
羨ましいと思いつつ、風が寒かったから宿に戻った。
今日はゆっくり休んだ。
夜ゆうま君が私たちの宿に来てクリスマスパーティをしよう、ということになった。
お昼にスーパーにひかる君と行くと偶然ゆうま君に会った。
サンティアゴで一瞬会ったことがあったが、その時と印象が違う。
とりあえず、思ったより背が高くて、全く大学生っぽさが無かった。
まぁ、また夜にということで別れた。
夕方に今度はちえこさんとひかる君と3人で夕食の買い出しに行った。
肉やらチーズやらサラミやら、もちろんお酒も買った。
アルゼンチンはほんまに肉とワインが安い!ワインもワンコインあればまぁまぁいいのが買える。
宿に帰ってご飯の準備をした。
Pure de papasと言って、マッシュドポテトのインスタント?のものを作った。
一袋でビックリするくらいの量ができてほんとにビックリ!だいぶ笑えた。食べれるかな。笑
そうこうしてるとゆうま君も合流して追加で炊き込み御飯やら作ってくれた。
そして、4人のクリスマスパーティが始まった。
階下では欧米人、南米人がワイワイガヤガヤやってた。
何度も、こっちにもおいでよ!って誘ってくれた。みんな陽気で楽しい。
4人で旅の話をした。
ちえこさんはゆうま君の説得の結果、20キロ以上歩くアルゼンチンからチリの国境越えを年末年始でするらしい。すごい!
私はこの後パイネに行く予定でゆうま君もひかる君も行く予定だった。
私は最初から一周コースしか考えてなかったけど、それを言うとゆうま君も参戦してくれることになった。
もちろん、ひかる君も一周やんな?
だいぶ渋ってたけど、何度も何度も説得して最終的に了解を得た。
年末年始は3人でパイネ国立公園一周!素晴らしい!
1人でも絶対楽しいのに3人集まるから3倍楽しいよ、きっと。楽しみ!
ワイン約3本を4人であけた。もうヘロヘロ!
0時前にカウントダウンしに階下に降りた。
『3、2、1、ウォー!』みんなどんちゃん騒ぎ!天井叩いたり叫んだり。
あんな激しいクリスマスは初めてだった。いろんな人とハグしてお祝いした。
欧米人、南米人たちは普通にちゅーしてる。幸せそう!
しばらくして部屋に戻って寝た。
クリスマスは1人だと思ってたから思いがけないクリスマスプレゼントになった。
こんなイブはもう一生ない気がする。
12/25
今日は移動の日。
ゆうま君はバスで、私とひかる君はヒッチハイクでEl Calafateにいくことになった。
初ヒッチハイク!でも、ひかる君はベテランやから安心やな。
しかし天気は朝からあいにくの雨。
ちえこさんとはここでお別れ。色々ありがとうございました!本1冊もらった。
街の出口で車が通るのを待った。
親指立てて待つけど、停まってくれなかったり、停まってくれても荷物がいっぱいで乗せられないとか、なかなか見つからない。
これ、3時間とかやるのめっちゃきついな!よく頑張ったよ。
30分程経った時一台の車が停まってくれた。でも、荷物があるからごめんね、って。
その後すぐに車が通り過ぎていった、かと思ったら停まってくれた!
いいよ、乗って行きなよ!って!嬉しい〜!
2人はアメリカ人カップルだった。美男美女。カラファテまでぴゅーんと一飛びだった。
私も日本でヒッチハイクしてる人を見つけたら絶対に拾ってあげよって思った。
本当にありがとう!
そして前調べしてた宿でゆうま君と落ち合った。
夜、ご飯食べた後にアイス食べながらパイネのコースを考えた。
計画するのって本当に楽しい。地図見て山を想像するのもめっちゃ楽しい。わくわく!
12/26
2人はペリトモレノ氷河を見に行った。
私は氷河いっぱい見てきたし登ったし、そこまで興味をそそられなかったから宿で色々調べたり本読んだりしてた。
旅に来て初めて昌平とFaceTimeもした。
顔が黒いって言われた。昌平も黒いからまぁいいか。
めっちゃ嬉しそうにしてくれて、私も嬉しくなった。
大まかなトレッキングの行程も決まった。8泊9日で行くことになった。
大変なのはその間の食料。3人で考えた。
サクッとExcel使って重さや量を計算するあたり、やっぱり普通の人とは違うな…
そして、ここでクリスマス食べたPPPs(pure de papas笑)が活躍する時が来た!笑
色々考えるの楽しかった〜
この予定で行くと1人食料だけで7キロ、、、やば!でも楽しみ!筋トレ!
そして明日はPuerto Natalesに移動です。
12/22〜23 Glaciar piedras blancas ともう1つの氷河湖、再会
お昼前に私は再び山に戻っていった。
街と山と、どっちをベースにここに滞在しているのやら。
というのは、サンティアゴで出会い、バリローチェで一緒にトレッキングをした高倉光君がエルチャルテンに来ると言うから待っていた。
一応一緒にFitz Roy見に行こうと約束していたから、一番メインのコースは行かずに置いておいた。
ひかる君はバリローチェからアルゼンチン側を少し南下し、チリに入ってそこからAustral街道という有名な道をヒッチハイクで南下して、色々してここまで来る予定。だから、この日に来る、って確定できない。
一応23日あたりに来る、とは言っていた。
待っておく理由も特に無かったが、せっかくの出会いだし時間に余裕もあったから適当にトレッキングして待つことにした。だから、また山に戻った。
今回も、みんなが行くところに行っても面白みがないからマイナーなところに行くことにした。
当初予定していたのでは、Fitz Roy北側のガイド同伴推奨のルートだったが天気が良くないのとIllimani縦走した時に両足親指が内出血し、その後遺症?で爪がほぼ剥がれかけてるところが痛かったから遠くまで行くのはやめた。
結局PoincenotというFitz Royに一番近いキャンプ場に泊まることにした。
この道何回目。明日も通るから4回?笑
昨日山の上から見たlag madre e hijaを下から見た。上からの方がキレイに見えるな〜
一瞬の合間にFitz Royがキレイに見えた。
今日はGlaciar piedras blancasという氷河まで歩いて行くことにした。
片道1時間と書いてあったけど最初道を間違えたのとルートが地図に載ってないから、印になるものがなく、ルートを探すのに少し手こずった。
最初さえ乗り切ればあとは河原沿いにケルンが積んであったから簡単だった。
氷河手前はおっきい岩がゴロンゴロンしてて、すごく楽しかった!
想像以上に大きい岩たち。どっからやってきたんやろう。
登ってみたいな〜
そして、湖畔まで着いた。またしても誰もいない。
氷河は太陽の光に照らされ、青くキラキラ光っていた。
Fitz Royとcerro Torre以外にも心揺さぶる景色が沢山ある。
チャルテン、いいところだなあ〜
氷河の青に吸い込まれそうになりながら、雲で見えない山の上の続きを想像しながら、大きな石の上で漠然と氷河を見ていた。
しばらくしてキャンプ場に戻った。明日はもう1つのマイナールートに行く。
気付いたら19時頃には寝ていた。
4時半頃起床。本当はもう少し早く起きたかったけど、天気が良くないから起きるのに少し力が必要だった。
でも、せっかくだから行ってみよう。
名前は忘れちゃっけど、今日行くところはみんなが行く有名なlaguna de los Toresの下にある湖。
道はマイナールートだったけど下調べ済みだったから簡単だった。
夜の間に雪が降ったみたいで山が少し雪化粧していた。今も少し降っている。
(↑これは下山後明るくなってからの写真)
歩いている途中で夜が明けてきた。
太陽が世界を真っ赤に染め始めた。とても幻想的だった。
そして、ごろごろのガレ場をひたすら進む。
途中一回こけて弁慶を強打した。いった〜
流石に5日連続、しかもバリローチェからのことを考えると疲労が溜まってきてるのかもしれない。
そして湖畔に着いた。
着いたと同時に『ゴォォォー!』氷河の崩落。歓迎してくれてる、と思っとこ。
とても不思議な空間だった。またしても誰もいない。(当たり前か)
とても静かだった。
石の上に寝転んでカッパのフードを被ってしばらく目をつぶっていた。
聞こえてくるのは氷河が溶けて湖に流れ込む水の音と、湖から出て行く水の音、カッパに降り積もる雪の音だけ。
小さい頃雪の上に寝転んで空から降ってくる雪を永遠に眺めてた時のことを思い出して懐かしくなった。居心地がいい。
いつまででも居られそうだったけど、歯磨きだけして帰った。(もちろん歯磨き粉は使わないよ)
キャンプ場に戻って寝袋に入ると気付いたら寝ていた。
起きたら11時!おっと!ま、でも特に用事は無かったからゆっくり下山した。
宿に戻るとちえこさんという方がおられた。
とても笑顔がキュートで私のしょうもない話を笑顔で聞いてくれる優しい面白い方だった。
iPadを確認するとひかる君から連絡が入っていた。
昨日のうちにチャルテンに着いたと。今日は長めのトレッキングをすると。夕方くらいに同じ宿に来るとのことだった。
よかった、無事にヒッチハイクも成功したんや!
夕方ちえこさんと2人でスーパーに行くと疲れ果てた黄色い人が前からくるのが見えた。ひかる君だ!
やっと会えた!待ちくたびれたよ!笑
とりあえず無事でよかった。
荷物のデポジット代が勿体無いから全部持って歩いてたらしい。
宿に帰って色々話した。
ここまで来た経過やバリローチェで話してた教育の話の続き、自然と人間の話とか、色々。
ヒッチハイクは沢山の人に助けられ、沢山の絶景を見てきたみたいだった。
もし、今後Patagoniaに来る人がいればAustral街道でヒッチハイクをするべき、だそうだ。私もやってみたい。
最初サンティアゴで出会ったときと比べたら確実に強くなってる気がする。強いというかサバイバル?
ちなみに私達がバリローチェで遭難した日、同じ宿にいたらしかった。(Wi-Fiがレセプションの前と食堂しか入らないから連絡が取れなかった)
23時頃までご飯も食べずに待ってたらしい、次の日は7時のバスで宿を早朝に出たらしい。ほんまにごめん。ありがとう。
とりあえず、この子と話すと奥が深くて普段考えないことを色々考えるから本当に楽しい。
そして、かなりの安定感がある。だから話してて落ち着く。
もし興味がある人がいれば紹介してあげたいくらい。笑
ひかる君が途中から一緒に行動していたもう1人の大学生、有真君(今日も一緒にトレッキングしてた)は山の中で一泊過ごすみたいで、明日彼の帰りを待って今後の行動を考えることになった。
12/20〜21 cerro Torre(3102m) y Fitz Roy(3405m)
テントをトノ君に貸してたから帰ってくるのを待った。
cerro Torreの最寄のテン場De Agostiniはコースタイム3時間やから全然焦らなくていいんやけど、早く行きたすぎて待ち時間が何とも長かった。(トノ君焦らせてたらごめん)
昼前にトノ君帰ってきてくれた。
天気予報はバッチリ当たった!晴れてる!
よーし、出発!るんるん♬
途中で日本人の女の人2人組に出会った。
確かcerro Soloっていう山を指差して『あれがフィッツロイですか?』って聞いてきた。
全然違うのに、やっぱり興味ない人からしたら山って同じに見えるんかな?ちょっと残念。
すれ違う人は気持ち悪かったかもしれない、私がニヤニヤしすぎてて。
でも、みんな笑顔で『Hola!』って返事してくれてみんなもニヤニヤやったからここはそうゆう山なんでしょう。
とりあえず、長い間会えなかった彼氏に会う気分、またはアイドルに会いに行く気分、そんな感じでるんるんやばかった。
テン場は思いの外早く着いた。2時間くらい。
途中でめっちゃ愛想のいいrangerさん(名前忘れちゃった)に会って、片言のスペイン語(まほ)と片言の英語(rangerさん)でセロトーレいいよね!明日の朝はいっぱい写真撮るんでしょ〜?楽しんできてね〜!って別れた。
テント張って、暇やったからlaguna Torreのミラドールまで行った。
cerro Torreは残念ながら雲の中。そりゃ、アイドルはそんなに簡単に会えないよね。
大丈夫、どんだけでも粘るから!
ミラドールまで行くとcerro Torreの裾にあるglaciar Grande(訳すと大きい氷河。そのまま。笑)がすっごく近く、より青く見えた。
おにぎり食べてゆっくりしようと思ったらめっちゃ雨降ってきたから、飲み込むように詰め込んで小走りで帰った。
テントに戻って19時頃には寝ていた気がする。おやすみ〜
夜中何度も目が覚めた。天気が気になったから。
何度もテントから顔を出してちゃんと星空が出てるか、雲が出てきてないか確認した。(5回以上。)
それくらいワクワクしてた。
だって、cerro Torreやで!『Patagoniaの彼方へ』の舞台の!
疑惑の山、cerro Torreやで!興奮するでしょう。
うちはFitz Royよりもcerro Torreの方が楽しみやったから尚更!
4時半くらいに起きてテン場から15分ほどの湖の湖畔まで行った。
見える。見えるよ、見える!cerro Torreの全貌が丸見え!
空にはまだ星が輝いていた。誰もいない。
風が強すぎて、三脚もないし、写真撮るのめっちゃ苦労した。
ほぼ同じ写真ばっかやけどシャッター切りまくった。撮らずにはいられなかった。
ファインダー通さずもちゃんと見た。(いや、見れてたかな?)寒い。でも、そんなんどうでもよかった。
だって、cerro Torreがそこにおるんやもん!
すごい、すごすぎる!昨日の夕方は真っ白やったのに、全部ない!
次第に空が明るくなってきた。
後ろを見ると空が赤らみ始めていた。
ふと前に目をやると、cerro Torreも赤くなってきている。
秒刻みで色が変わっていく。すごい、本当にすごすぎる!
数分の出来事だった。全部赤く染まったらまたグレイの岩の色に戻った。
一瞬の贅沢。他の何にも変えられない贅沢な時間だった。
気付いたら人が増えていた。
テントに戻ってゆっくりしようと、ふと地図に目をやった。
お…何か面白そうなルートがある…!
昨日もほとんど歩いてないし、全然歩き足らんかったし、標高差1000弱ならいいくらい。
ただ目印ないからガイドと一緒に行くのを推奨するって書いてあるけど、ルート簡単そうやしまぁ大丈夫でしょう。
上からcerro Torre見えるんちゃうん?!
よし、そこに行こう!という事ですぐに片付けを済ませ、もう一度太陽に照らされたcerro Torreにしっかりお礼を言ってからそこを去った。
途中後ろを振り返るとcerro Torreはもう雲の中に入りかけていた。
そうか、ほんまに朝だけなんやな。
見れて本当に本当によかった。
そして、見つけたルートを登り始めた。
cerro Torreは見えんでも展望はいいでしょう。
そこが正しいルートではないことは明らかだったけど、道はどこにも無かった。
尾根沿いを登り続けた。
砂利道で足は滑るし、バリローチェからここ最近歩きすぎでちょっと足も痛かった。
でも、ケルンらしきものも見えたし古そうだけど足跡もいくつか残っている。
ひたすら登り続けた。想像以上に急登だった。
ほぼ砂利道、ガレ場で遮るものがないから展望はすごく良かった。
一昨日見ていた湖もバッチリ見えたし、麓にある湖も、街も、遠くの山まで。
気付けばすごい高いところまで来た。
どこが最終目的地かイマイチわからなかったから、『とりあえず次の平らなとこまで』を5回くらい繰り返した時、突如目の前に大きな一枚岩が現れた。
えっ?
一瞬意味がわからなかった。
えーっ!Fitz Royやん!
不意打ちにも程がある。でも、こんな幸せな不意打ちは今までに無かった。
そこから更に行けそうなところまで進んでいった。
近い、近すぎる。すごすぎるよ〜!
涙が出てきそうだった。
誰もいないこんなところでまた独り占め。こんな幸せでいいのかってくらい。
雲に隠れたり出たりするこの大きな岩山を見てたら気付いたら30分くらい寝ていた。
帰りたくない気持ちを押し殺して下山した。こんなに登ってたのか。下山が意外と長い。
そして、そのまま一気に街まで帰った。
cerro Torreは雲の中でした。
宿に帰ってトノ君に今日の報告したら、僕も朝日見たいっす、とのことだったので、天気は良くなさそうやったけどとりあえず行こうということになった。
明日は4時起き。10時には寝た。
そして、次の日。
トノ君朝強い。チャっと起きてた。
天気悪かったけど、せっかく起きたし散歩がてら近くのcondorっていうコンドルが見れるそのままの名前の展望台まで行った。
寒すぎて風も強くて、トノ君風邪気味やったから長居できず、日の出の時間くらいにおりた。(雲のせいで朝日は見れないと思ったから)
ん?パッと後ろを振り返ったら霧が真っ赤に染まっていた!
あ、今やったんや!もうちょいやったんや〜
前を見たら虹が出てた!すごい!
空にはコンドルみたいな鳥が飛んでいた。
朝日はキレイに見れなかったけど、一気にこんなに見れてうちらは幸せだ。
2人で満足して宿に戻った。
そして、その後彼はヒッチハイクでエルカラファテへ、私は山へ再び行った。
12/19 laguna Toro
12/18
エルチャルテンまでのバスは約25時間ほどだった。昼過ぎに着いた。
長かったけど、ここ最近ほとんど寝てなかったから8割以上は寝ていた。スッキリ!
着いて少し街をウロウロしてトレッキング情報を集めにrangerさんのとこのinformation centerに行った。
地図が欲しいというと、数が限られてるから沢山はあげられない。
あなた、朝バスターミナルで見たし渡したよ。違う?
みたいな感じで言われた。え、さっき着いたとこなんですが…笑
誰と勘違いしたんかわからんけど最終的にくれたからよかった。(その後詳しい地図買ったから結局この地図いらんかった。笑)
ちなみにこの地図もらった。
トレッキング用の靴下が悲しいかな、なくなったので、仕方ないから買った。(買いたくなかったけど、残り2つのうちひとつは足の裏までも破れてるほどだから買わなきゃ…)
ついでにclimbingができないかアウトドアのお店に聞きに行ったら1週間先まで予約でいっぱいって言われたから諦めた。仕方ない。
きっと皆んなクリスマス休暇だからシーズンの今は人が多いんやろ。
確かにこのエルチャルテンという街はほとんどが観光客。地元の人は一握り。
まだできて数十年という歴史の浅い街らしい。観光の為に作られたんかな?
山がなければ多分来ないだろう街。
帰って今後のプランを考えた。
そして夕食を食べて明日のトレッキング用のおにぎりを作ってたら日本人の学生、トノ君が同じ宿にいた。
ズッコケ三人組ともひかる君ともタイプは違ったけど、荷物を盗まれたことがあることを考えると…笑
明日Fitz Royに一泊で行くらしいからテント貸してあげた。
12/19
悩んだけど、天気があまり良くなさそうだったから今日はメインのcerro Torre、Fitz Roy以外のトレッキングをすることにした。
最初はLoma del Pliegue Tumbadoという片道4時間くらいのミラドール(=展望台)に行こうと思ってたけど、予想以上に速く歩けていたので途中でそれより遠いlaguna Toro(片道7時間)に行くことにした。
でも、ここはルートがしっかりしてないってrangerさんが言ってた。
5時半起きで宿をでた。
やっぱり空は雲がどんより。
でも、たまに雲の合間から太陽が差し込んでくる。
こっちの人は基本朝早くに動く習慣がないみたいで本当に誰もおらん。
お陰でいつも大自然を独り占めさせて頂いてます。
見たことない鳥が沢山いて、道も穏やかで清々しい朝の散歩だった。
途中道を間違えて馬かなんかの骨を発見。
ルートが分からなくてちょっと迷子になりかけたところだったから、めっちゃ怖かった。cerro Goyaのトラウマ。(馬だけに)
怖くなって直ぐに来た道戻って、それっぽいもう1つの道を進んだらちゃんとトレイルっぽくて安心した。
丘を越えると湖(名前忘れた)が見えた、気持ちいい!
そして、虹も見えた!
虹って『ありがとう、美しい、キレイ』ってちゃんと思ってる人じゃないと見れんって、パタゴニアの先住民の人が言ってたらしい。
私がそう思えてたかはわからんけど、どっちにせよパタゴニア初虹やったからすごい嬉しかった。
その後も何箇所か迷子になりそうな道はあったけど、何とか目的のlaguna Toroま辿り着けた。
結局4時間半で来れた。
でも、強風だし雨降ってるしキレイな湖とは言い難い湖だったから、laguna Toro自体はうーんって感じ。
そこまでのトレイルはすごくよかった。
cerro TorreやFitz Royのイメージとは全然違う優しいルートで気持ちよかった。
タンポポのお花畑が広がってて、春だなあ〜って感じた。根っこすごい!
自撮りも頑張る。笑
帰りに湖を眺めながらおにぎりを食べた。米、やっぱりいい!
この辺りで何パーティか見た。やっぱりみんなゆっくり行動するんやね。
そんな感じでエルチャルテン導入トレッキングにしてはかなりいい感じの1日だった。
明日はcerro Torre!今から胸が躍ってる…大丈夫かな、心臓。
San Carlos de Bariloche〜trekkingその二:bella vista y cerro Goye〜
昨日までの疲れは吹っ飛んでいた。
気になるのはお尻の穴(ズボンに空いた穴)と臭くなった服。
今日もガンバ!やでー!
行動食を買って10時頃出発!
うーん、いい朝!
トレイルヘッドは昨日下山してきた途中の分岐のとこ。
この時点で11時半。なかなか、予定通り。
トレイルは何となく但馬の山に似た感じで親近感が湧いた。
緑が多い。
違うものといえば、シャオシャオ。こいつら、、、可愛いな!
そして、序盤からずっと急登が続く。
まるで燕岳のよう。
そりゃ、レベルはdificultです。
だけど、そんなの関係なしにずっとしゃべり続けてた。
たかし君とあきちゃんとはどんだけ一緒にいても時間が足りない気がする。
死ぬまでに時間足りるかなあ〜それだけが今の不安。ちょっと大袈裟?
2時間近く登っただろうか。アブと闘いながら。
やっと空が開けた!
わー!すごい!岩がいわいわしてる!
そりゃ登りに行きますよね!
バリローチェの街の方までしっかり見えた。
『ひかる君はちゃんと起きて街に帰れたかな〜』とか話しながら。
もうすぐ頂上?の前に雪があったら遊んでしまいますよね!
いやー、楽しい。何してもそこには絶景が広がっている。幸せだー!
そんなこんなしながら頂上まで行った。
これがbella vistaか!日本語に訳すと『美しい眺め』。
まさにその通り!この山がそこまでメジャーじゃないのが不思議なくらい。
ふと空を見たら太陽の周りに虹ができている。その周りにコンドルが飛んでいる。
すごい、こんな景色を当たり前に見ている今の時間よ、止まれ!
一生居られる景色だった。
でも、まだもう一つ山に登らなきゃなので、コーヒーとお菓子だけ食べて先に進んだ。
昨日登ってきたルートが見えた。
あ、もしかしてあのトゲトゲの岩の横から降りてきたんじゃない?
あ、そーやわ!
えー、あんなとこかー!すごい岩やな〜!
とか話しながらそこらじゅうの山を見てやった。
いい山がいっぱいあるな〜
トゲトゲのフォーク岩(勝手に名前つけた)は山の印象が槍ヶ岳に似てる。遠くから見えるときの存在感。
ここはもしや北アルプス表銀座か。
尾根もいい感じやなあ〜
写真撮る時はやっぱり気取らない方がいいよね!
『あああああ〜持って帰りたい!』
『何を?』
『この景色!』
この先の行程が今回のトレッキングの鍵となる。
cerro Goya までのルートは印がないらしい。もちろん下山も。アバンダンドルートやって!
登る分は印がなくても上に登っていけばそのうち着くけど、下りはそうゆう訳にはいかない。
とりあえず、cerro Goyaの山頂を目指して歩いた。
途中一回迷子になりかけたけど、何とか切り抜けた。ほっ
そんなこんなで登ってたらcerro Goyaに着いた、ケルンが見える!
時間はちょうど5時くらいだっただろうか。
bella vista から見ると穏やかに見えたが、実は結構岩な感じのかっこいい山だった。
Goyaの方が好きかも。
そしてこの景色!さっきよりも湖が広く全部見える気がする!
もー、ほんまに何なん!幸せすぎるで!
また、ここでもコーヒー飲んで一休み。このひと時が永遠に続けばいい、といつも思う。
ゆっくりして、ここからが問題です、さぁがんばろ!
出発してすぐに問題が発生した。
ずっと確認してきてたたかし君とあきちゃんの携帯のGPSが反応しない。
この為に地図調べてGPSも確認してきたのに!(たかし君とあきちゃんが。)
一回途中まで降りたけど、やっぱりここじゃない、、、ってなって山頂まで戻った。
下山開始から既に45分近く経っていた。
私は今まで遭難するような山登ったことないし、2人に迷惑かからないようについて行くことにした。
地図とGPSの現在地と方位磁石と、考えてもよく分からないから結局さっき降りたところを降りることにした。
道のように見える道じゃない道がずっと続いた。果たして道はあるのだろうか。これは道なのだろうか。ずっとそんなことを考えていた。
ガサガサ!、、、モー!
牛の群れがいた。この道はもしや牛の道?そこらじゅうにうんこもある。
道みたいな道をしばらく下って行くと広場があった。
でも、人気はない。これはきっと牛の集会場だ。
そこから道みたいな道を探して歩くが、すぐに藪に入り行き止まりになる。
とりあえず、2人について行った。しばらく歩くとまた広場があった。
…ん?ここ見たことある!
そう、さっきの広場だった。狐につままれた気分だった。
これはいわゆる遭難ってやつ?うーん、私にはどうしたらいいか分かりません、、、
2人について行くしかなかった。途中あきちゃんが鳩の目になってる(らしい)私を心配して何度か声をかけてくれた。
大丈夫なんやけど、、、大丈夫かなあ?
『ま、遭難したとしてもテントも食料もあるし大丈夫やな!』
とか言ってはいたものの、不安だった。
それに、帰ってひかる君も一緒に4人で打ち上げしよう!って言ってたから、必ずダウンタウンまで帰りたかった。
草や木が体に当たるのも、牛のうんこ踏むのも気にせず3人は突き進んだ。
歩き回って約2時間?やっとトレイルらしきものを発見した!
これはどう見ても人が歩いた跡!あ〜よかった〜!
時間は20時頃だった。そこからはスイスイ進んだ。
誰だろう、帰りが不安だったんだろうか。ビニール袋を小さく切って木に結んで目印にしてあった。助かる。
安心感と共に私の緊張が一気にほぐれた。
さっきまでは何も喋れなかったけど、喋れるようになった。笑
写真も一枚と撮れなかったけど撮れるようになった。笑
でも、遭難って意外に楽しかった。(レベルによると思うけど)
何よりも、助かったのがこっちの日の入りは21時とか22時くらいということ。
暗くなりつつはあったもののヘッドライトなくても歩けた。
あとの問題はダウンタウンまでのバスがあるかどうかということだ。
コロニアスイソという街に出た。21時頃。
こじんまりとしていて、ビール工場が沢山あった。
道ですれ違った(唯一の)おじさんに聞いてみるとバスはある、22時半くらいだ、ということだった。
時間があるから、ちょうどレストランがあったのでご飯を食べて帰ることにした。
久しぶりのトゥルチャ(マス)!魚嬉しい!
ほっぺたが落ちるほど美味しかった!
ビールを売っていたので、ひかる君へのお土産に買って帰った。
バスも無事に来た。帰れる。
足が最強に痛かったので、バスの中で靴を脱いだ。
いい加減穴があきまくって何度も何度も自分で縫って直した靴下、修復不可能なほどにつま先もカカトも破れていた。こりゃ痛いわ。
お尻の穴はもちろん拡大している。下にヒートテック履いててよかった。パンツは守られた。
そして、三日間履き続けただけあって靴下はなかなか発酵が進んでる。
まぁ、気にせず脱いだ。
気付いたら寝ていた。そしてホステルの近くまで着いていた。
バスを降りると2人に怒られた。
というのも、足が臭すぎて2人の睡眠を妨げていたらしかったからだ。
Perdon!笑
宿に着いたのは23時半頃。
すぐにひかる君に連絡した。
レセプションのお姉さんにHIKARUっている?って聞いたけど、リストに名前がないからいない、って言われる。
その後部屋に行き、シャワーを浴び、くっさい靴を隔離させた。正しくは隔離させられた?
その後も何度かひかる君に連絡したが連絡がつかなかった。
仕方ないから3人で宴会を始めた。
山の話。大屋の話。人生の話。世界の話。旅の話。…
どんだけ話してもネタは尽きない。
気付いたらまた4時を回っていた。
私は気付いたら寝ていた。
次の日は片付けやバスチケットを取りに行った。
2人にこっそりちょっと早めのクリスマスプレゼントも買った。
その日の夜も宴会だった。
大事にするよ。
また、気付けば4時過ぎてた。
明日は6時半には宿を出るけど大丈夫かな?笑
起きれた。
そしてついに2人とお別れした。
1週間ほど一緒にいたのに1週間もいた気がしなかった。楽しすぎた。
2人はリオガジェゴスという街に行った。私はエルチャルテンに向かった。
長い間ほんまにありがとう!次は大屋やな!